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2月 11th, 2013 Comments: 0

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Plurk
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「病院を建てているのか」

ケガをした人が介助ロボットに付き添われながら松葉杖をついて歩いていく。
病気で長期療養中の子供が、年下の別な子供に絵本を読んであげている。

自分の知っている世界とはまるっきり違う事に、エンカーの感覚機能は微妙なブレを感じた。

「そうよ、ケガや病気の人を助けるのが私の夢なの。私はロボットだから、看護婦さんとかお医者さんにはなれないわ。でも、病気で長く入院している子供に絵本を読んであげたり、歩けない人の車椅子を押してあげる事は出来るもの。だから」

生き生きと自分の夢を語るロールにも、先ほど感覚した『ブレ』をまた感じる。

「それが、夢ってヤツなのか?」
「そうよ。それが私の夢!!」
「ふうん…」

純粋な戦闘用として開発されたエンカーにとって、ロールの話は到底理解出来るものではなかった。

と言うより。

彼はそのように作られてはいなかった。

「エンカーにはないの? 夢」
「夢……」

考える力をワイリーに与えられていながら、彼は己の中の矛盾―それはロックマンを倒した後に己の存在意義の消失―と向き合う事に精一杯で、今までそんな事は微塵にも思わなかったのだ。

夢―――。
それは、目的は異なってしまうかもしれないけれど、新しい何かを見つけ出せるかもしれない、魔法の言葉。

「エンカー…?」
「おい、お前―――」
「前にも言わなかったかしら。私はロール。ちゃんと名前で呼んでよ」
「……ロール」
「何? 急に」

「俺のメモリーには夢ってコトバはない」
「……」

「でも、お前が言った様な事が夢ってヤツなのだとしたら―――探してみてもいい。今、そう思った」

普段表情と言うものは殆ど分からないエンカーに、ほんの少し笑顔が見えた事に、ロールも笑顔を返す。

「見つかるといいね。エンカーの、エンカー自身の夢。あ、でも、ロックを壊しちゃうとかそういうのはダメだからね。分かってるでしょ?」
「……」

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